2013年7月12日金曜日

富岡町見学 / PEC福島TRIP ③(2013.7.7)


今回で、3回に渡ったPEC福島TRIPのレポートも完結。

前回の記事は、
 福島元気飲み会/ PEC福島TRIP① 2013.7.6  
 船で福島第一原発沖まで行ってきた / PEC福島TRIP② 2013.7.7  



久ノ浜港で下船し、船長ひろくん・藤田さん・遠藤さんが住んでいた富岡町に向かう。

富岡町は原発事故後、全域が警戒区域で入れんかったんやけど、
今年の3月に再編して、3つのエリアに別れたん。


























エリアごとの違いはこんな感じ。(上下どちらの画像も富岡町役場HPから転載)


























簡単にいうと「富岡町は宿泊は出来ず、入れるところと入れへんところがある」 ってことやね。


バスで向かう道路の脇には、除染した土をいれているだろう黒いトン袋が一面にある場所もいくら土を除いても保管場所が足らんのやろう。






























富岡町は、道路の部分はガレキ撤去があったものの、
震災から2年半たった今現在も、建物や車はそのままの状態だ。




























至るところにある車。






























流された家の2階部分。






























陥没したアスファルト。






























とみおか駅。海がすぐ近い。

この辺りは、海まで一望できる場所が多いが、
震災前は建物があり、ここまで多くはなかったとのこと。





























駅舎は丸々なくなったらしい。電柱が津波の強さを物語る。





























線路があった場所とは思えないぐらい草が生い茂っている。






























富岡第一小学校。校庭は除染されているようだ。





























小学校の門のすぐ手前の溝、写真で見えづらいが、7.53μSv/h 。
いくら校庭を除染しても、至る所にこういうスポットがある。





























津波の被害がなかったエリアは、一見普通の住宅地だが、
もちろん線量が高く、人は住んでいない。































帰宅困難区域のバリケード。
「15時までにゲートを出るように」という旨の町内放送が
電柱のスピーカーから流れていた。






























イノブタ(?)発見。
取り残された動物や野生動物がたくさんいるという話も更にリアルに。
ダチョウもいるらしい。
























藤田さんの自宅にあげてもらう。
 






















奥さんと一つ一つこだわってリフォームした愛着あるお宅の中で、
1部屋1部屋、丁寧に説明を受ける。
未だにローンは払い続けていかなければならない。





























家の庭では、22.4μSv/hなんていう箇所も。
 



























家を出た時、
 「元通りにして欲しい。それだけ。
ただ、それをどこに言ったらいいのか、、、」
 と藤田さんは言った。


少しでも現状を知ってほしいという思いで、いまだ癒えぬ傷口をさらけ出してくれ、
フラッシュバックすることもあるだろうに、生活していた場所に案内してくれ、
たくさん話をしてもらった3人の思いに応えるには、
自分の周りに伝えることからと思い、WEB上に写真のせることなど了承してもらいました。

もし自分の町に何かあった時、
たとえ自分が痛くとも、伝え動く人間であろう。
どんな時でも希望をもって、頼もしい父ちゃんでいよう。
と改めてココロに刻んだ。

ガイドしてくれたひろくん、藤田さん、遠藤さんありがとうございます!
参加した皆もありがとう!

希望者がいれば、また開催したいと思います!




































船で福島第一原発沖まで行ってきた / PEC福島TRIP② 2013.7.7


PEC福島TRIP2日目は、
「船で原発沖にいく」
「富岡町見学」

原発沖にいけるのは、もちろん初めて。めちゃくちゃレアな体験や!
富岡町は去年12月にちょろっといったきり。
あれから半年以上経つ、どうなっているのか?



7月7日、朝6時発のいわき行きのバスに乗るため、
寝不足、二日酔いの皆が集合!

そんな中、一向に到着しない歩さん。
携帯は電源入ってないし、ホテルにもおらんし、
打つ手なしで、結局歩さんなしで行くことに。




















ほぼ貸切のバスの車内で全員爆睡。
気がついたらいわき駅前。

こっからはマイクロバスで移動!



















マイクロバスの運転は、富岡町出身の遠藤さん。

以前は富岡町でホテルをやられていたが震災の被害をうけ、
現在は新たに会社をつくり、お弁当・仕出し料理をされているそう。 
ちなみこのマイクロバスは、ホテルのお客さんの送迎用で使われていたもの。

遠藤さんのリアルなトークで、眠気も酔いも一気に吹っ飛ぶ。












福島の町名聞いても、場所分からん人おると思うから、地図をどうぞ。

国内で3番目に面積広いらしい福島は、(ちなみに1位は北海道、2位は岩手)
浜通り、中通り、会津の3つのエリアに別れてる。



























太平洋側の浜通りを拡大したのがコレ。


























今回船にのるのが、いわき市の北にある久之浜港
大熊町にある福島第 一原発まで30キロ圏内の港。
富岡町に第二原発。
広野町に火力発電所がある。


港に向かって走っていると、草の生えた土地に建物の基礎部分が。
津波の被害を受けた場所だと一目で分かる。




















久之浜漁港につくと、新たに案内役として藤田さんも合流。

藤田さんと遠藤さんは、今までに何度も案内をされているということで、
話が具体的で分かりやすく、芯のある人柄が伝わる。
 




















今回 乗船する釣り船「長栄丸」
原発沖までいくことは、海上保安庁にきちんと伝えてあるとのこと。



































キャップをかぶっているのが、船長のひろくん。

去年の12月と今年の3月にやった「福島元気祭」っていう除染ボランティア活動で知り合った縁で、現在試験操業しか出来ない福島の海で、船にのせてもらえることになった。

震災時ひろくんは、船にのり沖に出て津波にのまれていく町を眺めていた。
陸にいた当時1歳半の愛娘を失い、いまだ見つかっていない。

たくさんの悲しみを背負っているだろうに、俺たちに笑顔で接してくれる。

俺たちがやった除染ボランティアって意味がないとか言われたり、やる必要ないと思う人もおるやろうけど、こういったひろくんのような人も参加して認めてくれてることってのがひとつのやる意味の証明でもあると思う。



















皆で船に乗り込み、ガイガーカウンターで空間線量をチェック。
放射性物質は水より重く沈むから、海上の線量は高くないとのこと。


















船がはしりだし、間もなくすると、広野火力発電所が見えてきた。


















原発もそうやし、ここも東京電力のもの。
関東の皆、マジで福島に世話になっとるで!

ここの一番新しい5号機の燃料は「石炭」なん。
だいぶ前に「石油を使わず石炭でいこう!」ってことで、
新規の火力発電所を石油メインで作るんは禁止になってたみたい。

「石炭」って、炭鉱の閉山とかのイメージから、もうそんなに使われてないと思ってた。
ほんま知らんことだらけやわ。




発電所に近づくにつれ思ったこと。

埋立地につくったらしいが、低すぎへんか?
こんなんやったら、 大きい津波来たらやられるやん。











そのまま航海。

写真は、ガレキの仮置き場?
このあと、いくつか見かけた。
遠目でわからんかったけど、頑丈なんかな?

潮が満ちたら、結構近いとこまでいきそう。
石巻の地盤沈下とか味わったから、より感じてしまうんかな?






























広野火力発電所から北へ9kmほど行くと、
福島第2原発が見えてきた。

このあたりは、0,023μSv/h。
東京と変わらん数値やね。



海から見た福島第2原発。

左の高い建物が原子炉。
その手前が、色々コントロールしたりするとこ
非常用ディーゼル発電機とか入ってるとこらしい。























これが爆発とかせずに済んだのは、なんとか電源が確保されてたからで、
非常用のディーゼル発電機も浸水で使えんくなったのもあったし、
ギリギリセーフっていうぐらいらしい。

東電のHP分かりやすかったで。 
福島第二原子力発電所はなぜ過酷事故を免れたのか


ここも海抜低いような、、、
こんだけ低いんなら、低い方がええことがあるんやろうな。
 


























船の上で、ひろくんと原発の地下水を海に流出することで、
地元漁師の賛成を求められているという話をした。

「漁師の意見がOKで、それでよしとするなら漁師の責任になる。
それはおかしいだろう!」というひろくん。

帰ってきた時、ちょうど、原発の地下水がニュースになっていた。


福島第1原発地下水セシウム濃度急上昇 東電「理由わからない」 フジテレビ系(FNN)

「5日に水を採取。セシウムの量は309ベクレル(1Lあたり)だったが、
8日に採取したところ、約90倍の2万7千ベクレルに増えていた
9日採取した地下水から、3万3千ベクレルの放射性セシウムを検出したが、
東電は「セシウムが3日間で上昇した理由や、海への影響はわからない」としているとのこと」


これは海側の地下水の話で、ひろくんと話していた建屋より山側の地下水ではないが、
まぁまだまだ東電も分からないことだらけで、こういうことも起こりうるなら
下手なことはせんで欲しいもんです。





走り始めて1時間程、第2原発から約10km北上。

ついにあの福島第一原子力発電所に!
船からの距離は2キロきってた。

いまも収束に向けて、多くの人が動いてくれているのだろう。
































ちなみに、この辺りの空間線量は、





















写真は左から4号機、3号機。
損傷により原子炉建屋の高さが違う。


























































帰る時も真剣に見つめる皆。それぞれ思うところがあるのだろう





















今回の感想でまずくるのが、「全部、海抜低いなぁ」てこと。
「近くまでいってもっとないんかい!」って言われそうやけど。

長いこと時間かけて収束さしていかなアカンやろうに、このままでええんかな?
日本のどこよりもまっさきに堤防いるんとちゃうんかな?
まぁでも賢い人たちが考えてるやろう。
いやその人たちを信用しすぎてたから、こういうことになったんやしなぁ。


今まで「原発のリスク・再稼働かどうか?」「放射能汚染とは?」ってとこに気がいきがちで、今ある原発のことはまだまだ考えれてなかった。

この福島TRIPから帰ってきてから、東京電力のHPを見たら、
結構分かりやすくまとめてて、参考になった。

よかったら見てみて。
<東電HP> 福島第一原子力発電所事故の経過と教訓


俺の頭じゃ、この情報が全部が真実かどうか分からんけど、
FacebookやTwitter上の「危ない!危ない!」ってだけじゃない情報があるかもよ。

ちなみに、俺が見た目で単純に気になった敷地の高さとかに関しては、
想定してた津波は最高6.1mやったらしい。


↓この画像は東電HPにあったもの













15mとか高い場合のも、ちゃんと試算してたけど、対策はせんかったらしい。

今は何mを最高とした対策をやってるんやろう?
まさか6.1のまんまかなぁ?
日本中の他の原発はどうなんかも気になってきた。
福島から帰ってきて、更に気になりだしたことを調べたりしてると、
どうしても更新に時間がかかってしまう。

長くなったんで、「富岡町見学」は次回に!









2013年7月8日月曜日

福島元気飲み会/ PEC福島TRIP① 2013.7.6


7月6,7日の土日に福島に行ってきた。

今回は、「PLAY EARTH CLUB」の仲間とのツアーとして。


俺が24才の頃から、沖縄で自給自足の村づくり、
インド、ジャマイカで学校づくり、
石巻、福島でボランティア活動やらと、
この10年程、色んなことを一緒にやってきてる「高橋歩」。

その高橋歩をはじめとする「地球を遊ぶ仲間たち」が集まった面白いクラブが、
「PLAY EARTH CLUB」通称「PEC(ペック)」。

俺は「またたび」以外に、この「PEC」のManagerとして、運営やら何やらやってるん。



「地球で遊ぶ日本人の俺たちは、福島のことを自分の言葉で語れた方がいいでしょ!」

「TVとかで「福島が」って聞いた時、友達がいれば「あいつのとこが」って思えるでしょ!
これからの福島を考えたら、まずは友達をつくることからはじめるのっていいんじゃない!」

ってことで企画したのが、今回の1泊2日の福島TRIP。




初日は、「福島元気飲み会」と題し、
全国から集まったPECのメンバーをはじめ、
福島在住の友達たち、福島を応援する仲間たちなどなど、
元からの友達やこの日はじめて出逢う人たちも集まった飲み会。

会場は、「福島のソウルフード」と紹介され、
福島に来る度に通ってる老舗の居酒屋「鳥政」

「鳥政」っていうのに、鳥料理じゃなく、
ホルモン焼きと餃子がメイン。

















ホルモンを食べ、瓶ビールを飲み、
続々と集まる皆と乾杯!



ちょっと飲み会に集まったメンツを紹介。


俺たちが福島とがっつり関わるきっかけとなった男「平学」



学さんは、福島駅前でスノーボード、スケートボード、サーフィンのショップやイベントをやっている福島の横ノリ系第1人者。

6日・7日は、代々木公園で「earth garden」っていうイベントがあり、
そこに福島ブースで出店もしていたが、この飲み会のために福島に戻り参加。

今は、子どもたちが思いっきりカラダを動かして遊べるよう
室内にスケートボード、クライミング、ダンスなどが出来る
「インドアパーク」の建設に向け奮闘中!




この幸せそうなおじさんは、
福島市大波地区にある成願寺の佐藤俊道住職。通称「としちゃん」

















去年の12月に10日間かけてNPOオンザロードの活動として
「福島元気祭り」と題し、「除染」をした時に知り合った。

いつもユーモアある挨拶には学ぶことがいっぱいある。
再会できて嬉しかったなぁ。



 そして、その除染活動のための資金を国から集めてくれた
福島大学経済学の奥本教授。通称「おっくん」

























地元は大阪やが、福島に赴任して15年。
サーフィンが好きで、色々な活動をしている。

いっつも酔っ払って話が長くなる愛すべき人。


などなど1人ひとり紹介していくとキリがないが、
福島はホント面白い人とたくさん出逢え、
それぞれの繋がりも深く一緒にいて気持ちがいい。


「福島元気祭」の映像を流し、酒も進み、
それぞれ繋がり、いい話もでき、
盛り上がっていい空気に!










福島GIRLたちに、ちゃっかりまたたびの宣伝も!!







 集合写真!




























2次会は、震災後にオープンした「Bohemian福島」に。
この店は沖縄からの仲間「けいすけ」が店主。
カウンターだけの小さな店内に溢れる人。



















去年、沖縄ビーチロックビレッジで会った奴らが
日本一周中でBohemianを訪れ、偶然の再会もあった。

どんどん夜もふけ、福島唯一のクラブ「NEO」に流れたり、
なんだかんだ3時過ぎまで飲んで、
 Bohemian福島の2階で皆で雑魚寝。

明日は、6時起きでいわき市まで行き、
漁船にのって原発沖をクルージングや!

(続く)